【長野の方向け】成年後見制度が大きく変わる!令和8年法改正のポイントと財産管理への影響

ご家族の認知症や将来の財産管理について、不安を感じていらっしゃる方は多いのではないでしょうか。「成年後見制度を利用したいけれど、一度始めると途中でやめられないと聞いて躊躇している」というお悩みを、長野県内のお客様からもよくご相談いただきます。実は、令和8年(2026年)6月に成年後見制度に関する民法などの改正法が可決成立し、これまで不便だと感じられていたルールが大きく見直されることになりました。本コラムでは、新しい成年後見制度が「いつから、どのように変わるのか」、そして「長野での私たちの暮らしや相続準備にどう影響するのか」を、法律の専門用語をできるだけ噛み砕いてわかりやすく解説いたします。ご自身の老後やご両親の将来に備えるためのヒントとして、ぜひお役立てください。


令和8年(2026年)成年後見制度の法改正とは?


成年後見制度は、認知症などで判断能力が低下してしまった方の財産や権利を守るための大切な仕組みです。今回の法改正により、よりご本人の実情に寄り添った使いやすい制度へと生まれ変わります。


いつから変わる?法改正の背景とスケジュール


今回の民法等の改正案は、令和8年(2026年)4月に閣議決定され、同年6月17日に国会で可決成立しました。実際に新しい法律がスタート(施行)するのは、準備期間を経た令和10年(2028年)の夏から秋頃が予定されています。これまでの制度では、「一度利用を開始すると、ご本人がお亡くなりになるか能力が回復するまでやめられない」という大きな課題がありました。今回の改正は、こうした使い勝手の悪さを解消し、ご本人の意思や状況に合わせた柔軟な支援を実現するために行われました。


一番のポイントは「補助」への一元化


現在の成年後見制度(法定後見)には、ご本人の判断能力(事理弁識能力)の程度に応じて「後見」「保佐」「補助」という3つの種類(類型)があります。これが改正法では、すべてのケースが「補助」という1つの制度に一元化されます。認知症の症状が重い方でも、軽い方でも、同じ「補助」という枠組みのなかで支援を受けることになります。これにより、制度の入り口がシンプルになり、より分かりやすくなります。


実務はどう変わる?3つの大きな変更点


では、具体的にどのような部分が変わるのでしょうか。ご相談者の皆様にとって特に影響が大きい3つのポイントを解説します。


変更点1:途中で「終わることができる」制度へ


これまでは、ご本人が亡くなるまで支援が続くのが原則でした。しかし改正法では、「必要があると認めるとき」に制度の利用を開始し、その「必要がなくなったと認めるとき」には家庭裁判所の判断で制度の利用を取り消す(終了する)ことができるようになります。たとえば、「不動産を売却する手続きのためだけ」など、特定の目的のために制度を利用し、目的が達成されて他の家族や地域の支援チームで対応できる状況になれば、後見人(新制度では「補助人」)の支援を終わらせることが可能になるのです。


変更点2:包括的な代理権が廃止され、必要な支援だけを


現在の「後見」制度では、後見人がご本人の財産に関するすべての行為を代わりに行える「包括的な代理権」を持っています。改正法ではこの包括的な代理権が廃止されます。その代わりに、「ご本人のために本当に必要な特定の法律行為」に絞って代理権が付与されることになります。つまり、「何でもかんでも専門家に任せる」のではなく、「ご本人にできることはご本人に、どうしても必要な手続きだけを補助人に任せる」という形になり、よりご本人の意思(意向)が尊重される仕組みになります。


変更点3:支援者(補助人)の交代が柔軟に


これまでは、ご本人やご家族と後見人との間でコミュニケーションがうまくいかなくても、後見人を交代させることは非常に困難でした。今回の改正では、ご本人の「利益のため特に必要があるとき」には、補助人を交代(解任)させやすくなります。不適切な対応があった場合や、他の支援者との連携がうまくいかない場合に、よりご本人に合った支援者へと見直すことができるようになり、利用する方にとって大きな安心材料となります。


長野県での相続や老後の財産管理への影響(具体例)


制度が柔軟になることで、私たちの身近なトラブル防止や手続きのサポートにも大きなメリットが生まれます。


【ケーススタディ】親の認知症と実家の売却


長野県内に住む高齢のお父様が認知症になり、介護施設への入所費用を捻出するために空き家となった実家を売却したいケースを考えてみましょう。これまでは、実家を売却するために成年後見制度を利用すると、売却が終わった後もお父様が亡くなるまで後見人への報酬を支払い続ける必要がありました。しかし新しい制度では、ご家族や支援体制がしっかりしていれば、「不動産の売却手続き」という目的が完了した段階で制度の利用を終了できる可能性が高まります。これにより、費用の負担や精神的なハードルが大幅に下がると期待されています。


任意後見制度への注目とメリット


法改正では、あらかじめご自身で信頼できる支援者を決めておく「任意後見制度」も使いやすくなります。家庭裁判所が監督人をつけなくてもよいケースが明記されるなど、より柔軟な運用が可能になります。法定の制度が使いやすくなる一方で、ご自身が元気なうちに「誰に、何を任せたいか」をオーダーメイドで決めておく任意後見契約の重要性は、今後ますます高まっていくでしょう。


手続きで失敗しないための注意点


専門用語の解説


●事理弁識能力(じりべんしきのうりょく):自分の行った行為が法的にどのような結果を招くかを理解する力のことです。契約を結んだり、財産を管理したりする判断能力を指します。


●特定補助(とくていほじょ):新しい制度で新設された仕組みです。事理弁識能力を欠く常況にある方に対し、裁判所が必要と認めた場合に、特定の取消権などを持った「特定補助人」をつけることができる制度です。


早めの準備がトラブルを未然に防ぐカギ


制度が使いやすくなるとはいえ、認知症が進行してから慌てて手続きを始めると、書類集めや裁判所への申し立てに時間がかかり、希望のタイミングで財産を動かせないことがあります。大切な財産を守り、家族間のトラブルを未然に防ぐためには、ご本人がお元気なうちから専門家にご相談いただき、適切な手続きのサポートを受けておくことが最も重要です。


まとめ


今回の法改正による成年後見制度のポイントは以下の通りです。


●後見・保佐・補助の3類型が「補助」のみに一元化され、分かりやすくなります。


●手続きの必要性がなくなれば、途中で制度の利用を「終わることができる」ようになります。


●ご本人の意思がより尊重され、必要なことだけを支援する仕組みに変わります。


●支援者(補助人)の交代がこれまでよりも柔軟に行えるようになります。


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長野県で地域に密着して皆様をサポートする「司法書士法人かがやき」および「長野相続遺言相談室」では、法改正を見据えた最適な手続きのサポートをご提案いたします。事前の対策が、将来のトラブルを未然に防ぐ確実な一歩となります。専門用語を使わず、親しみやすく丁寧にご説明いたしますので、まずは一度、当事務所の無料相談までお気軽にお問い合わせください。