かがやき司法書士・行政書士事務所

民事信託の種類

民事信託の種類

民事信託には自己信託、限定責任信託、知的財産権の信託の3種類があります。
この3種類はそれぞれ契約方法が違います。


自己信託

通常、信託の法律関係は委託者、受託者、受益者の3者がかかわることになりますが、委託者=受託者という関係とすることも可能です。
この委託者=受託者となるケースを自己信託と呼びます。
通常の相続では相続人の間で財産をめぐって不公平感が生じる可能性がある場合に自己信託は有効に機能します。
例えば、相続財産として収益不動産と預金があり、相続人として長男と次男がいるケースを考えます。長男には不動産を相続させ、次男には預金を相続させたいものの、相続財産の評価額としては不動産のほうが大きくなるような場合この場合は不動産を信託財産の対象として自己信託を行い、第一受益者を長男、第二受益者を次男とすることが考えられます。
自己信託の場合、民事信託の契約は公正証書の作成によって行う必要があります。


限定責任信託

民事信託では受託者の能力が問われるため、家族を受託者とするような場合には、その家族が受託者となることに躊躇(ちゅうちょ)してしまうというようなケースも考えられます。
このような場合には、民事信託を限定責任信託とするのが有効です。
限定責任信託とは信託に関して生じた債務の返済義務を信託財産の範囲で負担するという形のことです。
限定責任信託では受託者の固有財産については強制執行ができなくなることから、受託者の責任を軽くすることができます。


知的財産権の信託

財産が知的財産権などの形である場合、その知的財産権を専門家などの受託者に移転し、受託者がライセンス契約の締結や売却などを行い、受益者に対して発生した収益を分配するという形をとることができます。
これを知的財産権の信託・知財信託などと呼びます。
知財信託では知的財産権を委託者、受託者双方から分離された存在とすることができますから、委託者である事業者などが本業の事業に安心して集中したい場合などに有効活用できます。
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